遊戯王試作デッキ 光デュアルゲート超融合

サイバー・ドラゴン
E・HERO エアーマン
E・HERO オーシャン
E・HERO オーシャン
E・HERO オーシャン
E・HERO ザ・ヒート
E・HERO ザ・ヒート
E・HERO ザ・ヒート
E・HERO アナザー・ネオス
E・HERO アナザー・ネオス
E・HERO アナザー・ネオス
ライオウ
ライオウ
ライオウ
オネスト
クルセイダー・オブ・エンディミオン
クルセイダー・オブ・エンディミオン
クルセイダー・オブ・エンディミオン
ブラック・ホール
ハリケーン
サイクロン
サイクロン
フュージョン・ゲート
フュージョン・ゲート
増援
月の書
テラ・フォーミング
E-エマージェンシーコール
E-エマージェンシーコール
E-エマージェンシーコール
超融合
超融合
デュアルスパーク
デュアルスパーク
神の宣告
聖なるバリア-ミラーフォース-
激流葬
奈落の落とし穴
奈落の落とし穴
神の警告
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
E・HERO ガイア
E・HERO アブソルートZero
E・HERO アブソルートZero
E・HERO The シャイニング
E・HERO The シャイニング
E・HERO The シャイニング
E・HERO Great TORNADO
E・HERO Great TORNADO
波動竜騎士 ドラゴエクィテス
波動竜騎士 ドラゴエクィテス
E・HERO ノヴァマスター
E・HERO ノヴァマスター

E・HERO エスクリダオ

E・HERO エスクリダオ

虚野:お久しぶりです。なんかできたのでふらっと載せます。

皆様ご立腹のインチキ融合HEROがとうとうそろいやがりました。おかげで超融合の評価が急上昇。現在光デュアルは環境最優秀の速攻魔法による除去を二種類も所有しているわけです。いや、月の書を入れれば三種類。速攻魔法の利点は手札からも打てること、つまり、今引きによる状況打開が自ターン中に行えるようになったということです。これは恐ろしいことです。そもそも速攻魔法は「見てから」動くことが許され、アドバンテージを得易い。その上、そのアドバンテージが相手モンスターという、もっとも緊急度の高い部分で取れるのです。

白石:ちょっとちょっとまってよ、一気にしゃべるからわけがわからないわ。結局このデッキはなにをするのよ。

虚野:「出して」「除去って」「殴る」

白石:相変わらずの徹底振りね・・・・・・遊戯王において中の人の発想はかなりいびつだわ。どうしてそんなにコンボを嫌うのかしら。

虚野:中の人かなり運が悪いから、さらには頭もいまいちだから、4枚以上のコンボ基本的に考えないんだよ。「当てにならないし生かしきれない」って。だから最近はやりのクイダンなんか見向きもしないでこういう地味なデッキばかり作ってる。ガジェとか。

白石:結局主軸になるのはおなじみの1トップがん伏せ戦術。1900光属性という戦闘にめっぽう強いモンスターを主軸に、相手の動きをつぶしてカードを剥ぎ取っていく。その中でアドバンテージを稼ぎ、最終的には場札、手札ともに0へ追い込んでいく、古きよき「スタンダード」理論ね。だけれどこの戦術は墓地をケアできないわ。

虚野:正解。そしてそれは事実このデッキの致命傷でもある。だがしかし、こうは考えられないだろうか。どうがんばって墓地を利用しようと、結局はそのアドバンテージは場に還元される、と。つまり、「出てきた瞬間にたたく」だ。それで事実、現在ほとんど多くの場合で回答になる(現在、かつての「優先権ルール」がなくなり、召還成功時に発動できる除去は相対的に強化されています)。

白石:つまり、墓地によって取り返されるアドバンテージ分すら、稼ぎ返すというのね?でもそれは無茶だわ、今や墓地アドバンテージは手札6枚場札3枚ぐらいにまで簡単に還元される。これじゃ、一対二のようなものよ?

虚野:そう、ただ見ていればそうだ。だから、その爆発的アドバンテージを稼ぐ置物を即効でたたく。その上で、トップデックでの対応力も挙げる。展開速度が遅い分、問題を速やかに解決せねばならないこのデッキにおいて、速攻魔法がこれほどに頼れるなんてまたとない追い風だ。

白石:なるほどね。つまりは質のアドバンテージ、これを稼いでいくのね。だからこそ、剥ぎ取るなどという芸当が可能なのね。一枚を除去することで、その過程のカード分のアドバンテージを稼いでいく。大量展開から質を稼ぐシンクロ環境だからこその芸ね。

虚野:各々のカードの紹介は不要だろう。このデッキは基本長期戦になる。不用意に大量のカードを失わないように気をつけよう。自己完結的にアドバンテージを稼げないので、最悪投了までありうる。

白石:だけど、相手の動きを冷静に読みながら、致命的なタイミングに除去を放り込む感覚は、一度わかると病みつきになること請け合いよ。それでは今日はここまで。またいつか会いましょう。

虚野:まあ、近いうちに合えるといいなとおもうよ。またね。

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デッキ構築第一回 3分フレアロード

虚野:お久しぶりです。長らく放置していましたが、中の人が現実に嫌気がさしたのでまたやります。

白石:……破滅フラグね。取り返しつかないわよ。

虚野:どうせゲームするぐらいだし何やっても同じ。今日のメニューはなんと、友人に「なんか作れはよう」とせかされながら3分で作った、「赤単フレアロード中速怒涛」です。

白石:……速いの、遅いの?

虚野:初手では多分赤単速攻などに遅れるんだけど、スマッシュレースでは4スマぐらいで追いついて、そこから抜けると思う。実は2から3ターン目に展開以外のことをしなくてはならないんだ。それをしないと結果的に鈍足になる。

白石:まあ赤単がそこまで速いかと言われても微妙だけど。「プラン更新」ね?

虚野:その通り。でもそれさえやっとけば化け物級に強いよ。じゃあレシピどぞ。

赤単フレアロード中速怒涛

ハナクイドリ 3 バンプのためだけにいるようなユニット。しかしプランからキープできる+2000と墓地トップはこのデッキでは素晴らしい援護支援。影の功労者その1。

ツツジガハナ 3 こっちはまだバンプ要因として使い道はあるが、やはりハナクイドリのほうが便利ではある。移動2パワー7000スマ1でこれも実は流れを止めかねない。

ヨツビシ 3 場に残って墓地調節、破棄してバンプと芸は多いが、あまり便利ではない。流れを阻害する移動2パワー7500スマ1。逆にこのデッキのアタッカーのポテンシャルのやばさを示してもいるが。

キッショウ 3 一応フレアロードだからと言うだけではいった人。しかしこれと修羅の騎士のおかげでこのデッキ相手のデッドラインは「4スマ」。ビート相手にこれはつらい。ニトロをこっちだけ3枚積んでるようなものなので。

カンゼミズ 3 3コストで6000以上火力をかるがるとばらまく「THE・奥の手」。使いこなせば、「ただの中速ビート」と大きく差をつけられる。出張率も高いです。

ツユシバ 3 BUKKOWAREその1 通常状態でも使用に耐えるうえに効果で2コスト7000。立ち上がりにあるとないとでまるで違ってくる重要カード。

セイガイハ 3 墓地に落ちると二倍美味しい。影の功労者その2。BUKKOWAREどもの生存率が段違いです。

ヤガスリ 3 BUKKOWAREその2 2コストのスマ2。通せばゲームが終わる。

ブラックナイト 3 ベース対策ができることは重要。エネ要因でもあるだけ大事。

修羅の騎士 3 BUKKOWAREその3 3コストのスマ3移動2

マグマダンサー 2 キャラに泣かされてからでは遅い。特殊移動をダダ通しするとぜったいに勝てないので。

マントル 3 スマがあがるフレアと相性がいい。墓地調節や蘇生メタにもなる。

真紅 3 フィニッシュ、バンプをマルチにこなす優良呪文。ターンエンドで墓地に落ちるのもうれしい。

真・絨毯爆撃 2 墓地に落ちない火力呪文。キャラも焼ける親切設計。

白石:なあにこおれww3積みばっかりで、フレアロードがん積みじゃないww。

虚野:それがこのデッキの「強さ」。まさに金太郎飴のように、デッキのカードの種類を減らす。それによって尖った動きになり、「事故が減る」。このデッキは、フレアロードの自己強化効果を最速で発生させるため、「カード」でなく「ルール」により墓地を操作する。つまり、「プラン、フレアロード」→「更新」この流れを遅くとも3ターン目に終える。そのためには極論を言うとデッキはフレアロード「だけ」じゃないとまずい。なんと言っても中の人は運が悪いからね。1%だろうが0.1%だろうが、都合が悪ければ引き当てる、それが中の人クオリティww。

白石:きっと信仰が足りないのよww何へかは知らないけど。

虚野:まあ、ビートは早ければ早いほどカードが似通ってくるのはどのゲームも大体同じ。かつては「山田式赤単」なんてのもあって、中の人はよく使っていたらしい。DMでも赤単速攻よく使ったなあ。

白石:あれはテキスト見ないで使えるしねww。

虚野:基本的な動きは言うまでもないけれど、気をつけてほしいのはこのデッキのコンセプト。このデッキは「次々アタッカーを出す」ウィニーの回し方では事故るし、ポテンシャルを生かしきれません。大切なのは「高速で出したアタッカーが2.3ターンづつ粘っていくので処理が追い付かない」状況を作ること。各種サポートカードを使いこなし、BUKKKOWAREと書いた連中を守り抜きましょう。また、ヤガスリと修羅は低コストで出る高スマッシュユニットです。手札にあるなら相手の対応を十分見て、さばき切れるエネが尽きたら叩きこんでやりましょう。3スマもぎ取れば十分です。

白石:また、キッショウや真紅をプランしたときは要注意です。使えるエネがあっても決め切れなければどちらも大きなブレーキになることがあります(真紅:墓地が消える キッショウ:エネがなくなってサポートが使えなくなる)。相手のエネを見て4エネ残ってたらまず危ないです。それでも決め時は決めなきゃ死にますが。(手札が切れた、またはわかりきってるときは例外です。めったにありませんが)

虚野:また、マグマダンサーやマントルはたたき落とされそうなら、その上にフレアロードをかぶせる体制をつくりましょう。ハナクイドリがたとえあってもマグダンに打つのが正解とは限りません

白石:ただ、以上のことに気をつければ比較的簡単かつ大胆に勝てる楽しいデッキです。赤王決定戦にも出れますよ(まあこれで勝てたら神ですけど)。

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沙耶の唄 考察編その二「たんぽぽと愛と恋」

野:さて、まずは謝罪を。筆者が長期休暇前後のドタバタに捕まったためここ一カ月ほどパソにろくに触れませんでした。数は多くないでしょうが楽しみにしてくださった方々に深く謝罪の意を表しますが、半年後にはまたあると思うのでそこのところご理解のほどを。

では沙耶の唄考察編その2「たんぽぽと愛と恋」。今回はわかりやすいかもしれない。あまり期待しないでね。

白石:もうまたのっけから長い。というか期待しないでねってのはどうなのかしら。冒頭部分は引き付けないと読んでもらえないわよ?で、今回はロマンチックなタイトルだけど、どんないちゃもんをつけようというのかしら?

中務:Zzzzzzzzzzzz……。

虚野:おい、寝るなそこのライダー紛い。いやね、なにも変なこと言おうと思ってるんじゃないよ。あのさ、草が生えるのに動機がいるかい?

白石:さあ、いらないんじゃない?

中務:Zzzzzzzzzzzzz……。ぐふぅ。殴ることはないだろうが……。

虚野:だよね。花が咲くにも、種が実るにもいらない。じゃあなんであんなこと言ったんだろうねと。

白石:ああ……これね。「砂漠に落ちたタンポポが頑張って咲こうとするのはその種に愛をそそぐ誰かがいた時」。確かに。いらないものを要求してる。

中務:つっても隠喩なんだから食い違うところはむしろ本質だろ?

虚野:いいこと言うね仮面ライダー。そういうこと。つまりさ、沙耶はここで自分の役割に余計な価値観をくっつけてしまったわけだ。ただ、それは本編でもある程度仕方ないってことになってる。なってるからして。

この子をふつうの少女として論じることが自然になったわけだ。

白石:え……でもそんなことって……。

中務:ありえねー、かもしれない。だがそれが後天的にできるならこれはそんじょそこらじゃない奇跡、あるいは躍進。例えば人工知能というやつがあるが、あれでもいまだ言語はともかく人間らしい感情なんてものは手に入れていないんだ。ならば、だ。どうして彼女は一緒にいようと思わなかったんだろうな。自分の分身がいれば死んでもいい、なんて、「人間」としておかしくないか?彼女はもっと独占的にふるまっていたし、そもそんな構造は不自然だ。分身が元の人間の記憶を引き継いで(しかし適応するために知覚異常にはなるだろうが)いる以上、全く同じというのも変と思う、というか困るんじゃないか?言語行為論として。

虚野:そういうことで、筆者および私は沙耶は死んでません説を展開したい。いやーなっげー前置きだった。ごめんね期待裏切って。タイトルまで前置きってどーなんだろねー。さてさて。じゃまあいっきに死亡フラグを片付けよう!

白石:「最初で最後の務め」「焦点が合わない」「哀しいほどに小さくて軽い」「苦しむ→熱に浮かされたようになって苦しそうでなくなる」「おわかれなのか→ううん、これは始まり」といったところかしら?

中務:「哀しいほどに小さくて軽い」のは中身出てるんだから当たり前だろ?「苦しむ→熱に浮かされたようになって苦しそうでなくなる」のは病気めいてるが、正常生理である「開花」で逆にずっと苦しいというのも不自然だな。焦点が合わないのは体力が下がってたり、脳内状態がおかしくなってると起きることがある。筆者は徹夜明けのクラブで急に目の前真っ暗になったことがあるそうだ。しかし現在ピンピンして横クレードルしている。

虚野:「おわかれ」についても文字通りに受け取ったよ。あまりここでそうじゃないといっても嘘臭いだけだしね。こういう言い聞かせ方のほうがむしろ混乱してる人には効果的と思うんだが。

白石:一個撃破なら多少無理があるかもしれないとは言え、一応否定できるというわけね。

中務:ま、全体としてもそう矛盾はないと思っているんだが。だいたい出産というのはもともとリスクが高い行為だ。だから死亡フラグめいて見えてもおかしくない。でも、出産時の母体死亡率はもうだいぶ低い。高等生物(子孫による次の繁殖までに時間がかかるとされる細胞数の多い生物)において、母体の死亡率を下げるのは当然の繁殖戦略だ。ましてや沙耶は一個体しかいないのだから、死ぬわけにはいかない。津久葉 瑤の例のように、のっとった個体に必ず繁殖能力があるわけでもないし、また一回で十分な数を確保できるとも限らない。都市一個分ぐらいの範囲なら原爆で終わる。なんたって人類には地球上を焼き切るに十分な量の核があるのだから心配はない。そういうわけで継続してばらまき続けないといけないことが分かる。

虚野:まあそういうことだね。というわけで沙耶と主人公はどっかでイチャラブいしていると私たちは信じています。皆さんはどう思いますか?

白石:これで沙耶の唄の考察はいったん中止するわ。筆者がいい加減長文を書き続けるものだから、いくら時間があっても足りないから。もし余裕があればもう一回やるかもしれないけれど、あまり期待しないで。

虚野:なんでも正義についてすこし言いたいことがあったらしいけど、でも大きな部分は済ませてるからまあいいかな。それじゃあみなさんまたお会いしましょう。

中務:さて寝るか……じゃあな。

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沙耶の唄 考察編その一「内臓と倫理」

虚野:七夕でした。皆さんは何を願いましたか。筆者は割とあの伝説どうでもいいと思ってるので恋愛ネタは書かないよね。

白石:ね。今年のはこれみたいね

 すべての異端者に平穏を 虚野 言葉

虚野:また使いやがった……。まあしかし今年は内容がまともなので許そう。リア充爆発とか書いたらどうしてくれようかと思ってたけど。それにこれは私たちへの祝福と取れなくもないし、善意解釈で。まあ沙耶の唄にあてられたというのが普通かな?

白石:まあともかく。前フリはこの辺で終わって。今日は解説編やるのよね?やっぱり心情解説?

虚野:いやそれはやらない。ガジェット(作中の表現、比喩、設定などの構成要素)を分解してみようと思う。題して考察編その一「内臓と倫理」

白石:へえ、少し珍しいわね。でもあれって意味あるの?話をかえってややこしくしないかしら。

虚野:いやそれはやらなきゃわかんないよ。ただ、これは割と国語教諭が好きなやり方だけどね。もっと上の人はあんまりやらないかもね。

白石:ふうん。私は聞きに徹するしかなさそうね。

虚野:では今回のゲストを。「地球最後の魔法使い」中務 蘇芳君です。

白石:誰それ!?はじめて聞いたわよ。

中務:ちいす、中務だ。つうか虚野、俺は魔道師を名乗ったはずなんだが。間違えるなと言ったはずだぞ。これは重要なことなんだ。

虚野:こいつは高校の同級生で喧嘩相手。ちなみにお前はどう考えても魔法使い。お前の理論破たんしてるもん。まあ、昔取ったなんとやらで呪術とか記号とか象徴には比較的強いからね、こいつ。

白石:よろしくお願いします。じゃあはじめてくれる?

中務:……仕方ない。今回は何だ。つまらなければ帰るぞ。

虚野:そういうなよ。まじめに知恵借りようってんだからさ。じゃあ中務、「内臓」。これはどんな連想を生む?あ、それ見るな、見ないで言え!先入観を与えたくない!

白石:……はいどうぞ。いきなり変なこと言われてもチンプンカンプンよね……。ざっと流してみて。ほとんど小説だから速読効くんじゃないかしら。

中務:(速読中)うわこれ面白え……。そうだな、まずは生命、そこから供物、犠牲。この辺は日本以外ではよくある発想だ。臓器(オーガン)と有機的=生命を持った(オーガニック)みたいな。ただしこれを裏返すと、死、喪失。そしてとくに人間のそれは、「外にあってはならないものが出ている」、「人間の外見、つまり一般に人間らしいものとはかけ離れている」という項から、恐怖、嫌悪という感情、それから、ええと……うまくコンパクトに言えないんだが、禁忌とか……あとは、異形?なんだか化け物みたいな得体のしれない何か。ともかく、割と生理的な嫌悪感が先に立つみたいなところあるよな……。

虚野:ん、ありがと。なんだかんだで真面目だな。そういうわけだ。で、この作品の場合、こういうイメージを湧かせるガジェットを出すことで、どのような効果、影響があるのか。この着眼点で行こうというわけだよ。

白石:私にとってはトラウマでしかないけどね。なんであんなテラテラヌルヌルが体の中にあるのか今でも納得できないわ。動きかたも気味が悪いし、色合いといい血管の様と言い臭いといいどうにも我慢ならない。ナメクジとかカタツムリとかと同じ恐怖があるのよね。

中務:うし終わった。これは一見後半の意味のみのように見えて最初に言った良い意味も入ってるぞ。ホラーと呼ぶには少し不適切かもな。あと関係ないが、白石は女性だから言いにくいんだけど、淫妖蟲?あれのスタート画像の触手ってぶっちゃけ内臓っぽくねえか?いい加減気色悪いよな。

虚野:はいそこまで話戻す。まあ言わんとする事はわかるが。じゃあ、この作品における内臓について考えようか。まず主人公、匂坂郁紀の幻覚がこれだ。この幻覚は普通の幻覚と違って置き換え型の幻覚だね。次に、厳密には違うけど、作中の登場人物は彼にはだいたいこう見える(正確には腐った肉塊)。メインヒロインの沙耶は内臓の塊に触手が生えたようなさまであると描かれているし、津久葉瑤も同様に改造されてしまう。そして、矛盾するようだけど、主人公と沙耶の主食もこれだ。二重三重に絡むファクターに意味を持たせられると、それはただ説明するよりずっと強い説得力を生むはずなんだ。

白石:主人公は美しいものと醜いものが反転していると思えば理解は速いわね。でも彼はそのことを自覚している。理性も判断力も失わず、倫理と感覚のみが異常。これは稀有な症状ね。

中務:だな。ホラーとしての問題は主人公視点に寄せすぎちゃたったんだな。食事、シンクをリアルに描けばもう少しホラーっぽくなったろうに、主人公視点のインパクトが強すぎて彼の行動が割と正当というか、同情的に見れてしまう。俺はだからこの食事のシーンはむしろ感銘をうけたね。「命を食べる」というイメージにものすごく近い表現だ。加工して食べるというのは高度に文明的だが、同時に犠牲になった命から目をそらす意味合いもあるからな。そして主人公がそれを自覚していながら「ふぅん」という程度しか反応しないところもこの構図から逃れ得ないということを素直に受けとめるようで好印象だ。もちろん幻覚が手伝っている部分もあるが。

虚野:幻覚のほうも触れような。これは白石さんが言った通り、美醜の反転、そこからくる倫理の崩壊。これが期せずしてこの物語を重くしているんだよな。つまり、だ、倫理ってロジックじゃないんだよな。もっと感覚的で根拠がないんだ。そのくせ僕らのありさまを強く縛っている。それは人間が社会生物である以上当然なんだけど、そのせいで取りこぼされている視点は絶対あるし、取りこぼしていい理由もない。つまり、正常なはずの友人たちがいかにあやふやな不文律、共通幻想にくるまれているのか、それが僕らには見えてしまう。そしてそれは見方次第ではひどく偽善めいて見える。「真実」をみていない、と。

白石:「真実」?「幻覚」なのに?おかしくないかしら。

中務:いや、幻覚ってのは魔術でもよくつかわれる。予知、予言、占いなどでは積極的に見ようとする。それは「幻覚」に先入観や自身の持つ「常識」、「間違った因果」を無効化する力があると思われたからでもある。つまり、「事実」からはなれて普段見る野とは別の「真実」をつかもうというわけだ。逆にいえば俺たちはそういうもののせいで常に真実から遠くにあるし、あるべきだ。そういう反省がある。

虚野:そうしてみると、果たして彼は狂っていたのか。NOと私たちは答えたくなるけど、じゃあ一シーンだけ切り取ってみてみよう。主人公が耕司と対決する時、それを耕司視点で切り取ったシーン、これを彼と同じ情報量で分解する。どんな感情を抱く?

白石:これ本当に象徴的よね。ええと、でも主人公の論法って耕司瑤を攻撃したのと同じ論法よね。あれ、じゃあ耕司おかしいわ。自分が正しいようでいて結局生理的嫌悪感に強く揺さぶられてる。主人公を気持ち悪く思ったのも彼に自分への同情や共感がなくて、でも同時に自分もそれを持ち得なかったのもあるんじゃないかしら。追い詰められていたとはいえ、友人を取り戻すんじゃなく、自分の理解を超えた、友人の面をしたミュータントをたたきのめしたい、そんな側面すら見えるわ。

虚野:ちがうよ。それは主人公と耕司の視点両方を持つ私たちだけの「真実」。いまは耕司の「真実」に忠実にならなきゃ。

白石:良心の呵責に耐えかねるわ……「何こいつ気持ち悪い、怖い」、これ以上でも以下でもなくて、あとはわからないものを消すっていう前論理的な頭の悪い発想かしら。

中務:だろうな。このへんが作者の抱いた大きなテーマ、「狂うとは何か」、ここにかかわってくる。先に筆者の考えを言うと、共同体としての社会から感覚的な同意を得られないものが狂っているのであって、通常から逸脱すれば狂っているというのは違うのではないのか。ということだ。そのうえで、狂い得なかったものと狂ったものとの「真実」は、どちらのほうがより確かなものなのか。

虚野:「命を食べる」「倫理の前論理性」「社会という共通幻想」。こういったメッセージのせいで正直主人公側のほうがこの時点ですら有利なんだ。僕たちが人類である以上に人間であるということがいかに脆いのか、生きることすらもいかにあやふやなのか―「じんるい」と読まずに「じんかん」と読んでもいい。それは世界であり社会であるということだーそしてこれこそが筆者が常に抱き、その身に刻みこんで忘れまいとするテーマでもある。よく「がっつりした話が読みたい」と言っているのはこれのことだね。だいたい。

白石:それじゃ今回は一回ここで休憩しましょう。次は何をやるの?

虚野:「タンポポ」。作中の超感動シーンの布石なんだけど、実はこの部分は生物学的におかしい。そのおかしい部分が、沙耶が得た、知性を持つ生物を超えた何か、彼女の隠れた、でもとんでもない奇跡を描きだす。

中務:ん?じゃあ俺は帰っていいか?

虚野:何言ってんの。私たちは終わらないよ。記事をここで切るだけ。

白石:次回考察編その二「たんぽぽと愛と恋」。乞うご期待です。

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沙耶の唄 レビュー(あらすじ編)

虚野:実はこのブログは二世だったのです(棒読み)。な、なんだってー(棒読み)。……ええホントです。実はこのレビューが書きたいばっかりに一年放棄したブログを開けてびっくり、何ということでしょう(棒読み)。匠の技によって大量のスパムコメントが(棒読み)。筆者はゴキブリよりも汚いものを見たかのように即効消したそうな(一本調子に棒読み)。

白石:うわ読みにくい……。そんな事情があったのね……まあ、そういうアルバイトしている人も世の中に入るというわけね……。で。第一回のレビューは何をやるのとお約束。

虚野:ニトロプラスから2003年に出た美少女PCゲーム「沙耶の唄」。キャッチフレーズは、「それは、世界を侵す恋」「燃えません、凍えます」。当時は相当有名だったらしいけど、ニトロって何といわれると割とロボだの魔法だのに食われがちなかわいそうな作品。

白石:うっわー、またびみょーなのを。どうしてシュタインズゲートとかデモンベインとか村正とかスマガで手を打たないのかしら。どうせ曲者なんでしょう?

虚野:そりゃあもう。まずたったCD1枚の内容量で、プレイ時間は多く見つもっって5時間、選択肢は2つのみ、エンドは3つ、ヒロイン一人、シーン回想なし。どこまでもシンプルな設計になってる。そのくせ異様に満足度が高い。

白石:そういうことじゃなくて。でもそれだけでも相当変わってるわね。いまや4ギガはいるDVDですら複数枚つかう「とある門倉の電脳装甲」なんてのもあるのに。

虚野:とあるネタはやめよう。筆者が自制きかなくなって、萌えアニメを平和に楽しんでる人たちのスレにそげぶしかねない。ともあれ、そう。問題は中身だ。はっきり言おう。今からどんなに変なこと言ってもこの物語は究極「閉じた純愛」、そしていわゆるセカイ系だ。こうはっきり見せられると、物書きに行きかけた身としては参考になると筆者も言っていたよ。

白石:ふむ、あらすじは……なるほど、なるほど。これはネタばれしていいの?していい。わかったわ。つまりこうね。

 主人公は交通事故にあって脳に損傷を受けるけど最先端医療(データ不十分)で奇跡的に回復。視覚の回復だけ遅れるがあとは問題なかった。いや、視覚が回復するまでは。闇から眼を見開いて、その眼に映ったのは……あたり一面の肉塊、内臓。何もかもが気味のわるい汚物にみえる主人公の五感は連動して狂い、もはや外界は主人公にとって異星か地獄かというありさま。ただ生きるだけでも発狂しそうな環境で、唯一まともに認識できたもの、主人公の持っていた「あるべきありさま」にそぐう存在……それは偶然出会った少女、沙耶だった。彼女は聡明で、一見育ちがよさげな美少女だが、身寄りがなく、この病院に潜み、食料をこっそり盗んで生き伸びているという。そこから天涯孤独なもの同士「の同棲が始まる……。どこか奇妙で、でも主人公に尽くす沙耶。沙耶の愛情に戸惑いながら、少しづつ自分に快い生き方を見つけていく主人公。そんな二人のおっかなびっくりな生活がいつまでも続けば、あるいは何も起こらなかったかもしれない。

 だけれども、それは無理だった。主人公はいかに嫌っていようとも、彼もまた人間社会の一員であり、沙耶がいくら彼らに恋い焦がれようと、彼女は石や虫のように排除されかねない異物でしかなかったのだから。

 友情、義憤、片思い、隣りづきあい、医療体制、そんなしがらみが当事者には思いもよらないほどに二人を追い込んでいく。だけれどもそれは二人には無理な注文なのだ。彼らに社会に適合することを求めるのは、足のないものに走れというような愚行で、口のないものをしゃべらせようとする蛮行だ。結局二人は逃げることを選択する。しかし、二人にはそれすら許さないとばかりに追手が迫ってくる。

 二人の愛は、どうあっても報われないのか……?

虚野:ん、ごくろうさん。しかし病院がおっこっちゃったねえ。まあそこは私がうまいこと考察編で補完するよ。じつはお隣さんを排除した時点で主人公は感覚を元に戻してもらうという選択ができます。そうすると一直線だけどね。まあこの辺は考察編で私が言いたいテーマ「狂うとは何か」にかかわってくるのでこっちの方が都合いいかも。

白石:これ、ぜんぜんエロゲらしくないわね。むしろ小説みたい。あらすじは結構かいつまんだつもりなんだけど、よっぽど筆者の書いた小説より面白いわね。さすがニトロ。そのうえエロくないと。

虚野:いやそれはどうかな?結構エロいほうだと思うよ。ただ、メインストーリーに引きこまれて、エロいとか何とか思う前に二人の心情の方に注目がいってニヤニヤしちゃうだけ。逆に俗に抜きゲーといわれるものがあまりストーリーに引きこまれないのはこれを危惧してるのかもしれない。まあともかく、ここらで終わるよ。あとは様子を見て私が考察やるんで任せろ。

白石:では皆さんさようなら。また会いましょうね。

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はじめに

虚野:はいはじまりました。なんだか知らないけどけして暇でも何でもないのに筆者が熱に浮かされたかのように始めやがりました。「虚野言葉の戯言紛い」、みなさんと少しでも楽しい時間が送れればいいですと思う一方で、ふざけんな勝手に私の名前使うんじゃねえと思ったりもする、そんな複雑な今日この頃。みなさん如何お過ごしでしょうか。

白石:…………だいぶ頭にきてるみたいね・・・・・・もう文と文のつなぎ方がめちゃくちゃでこっちまで頭痛くなりそう。ええと、私たちが筆者の思ったことを対談形式で紹介していくのよね。というか、私たち一人称かぶってて少しわかりにくくない?

虚野:金剛番長とかけて筆者のご都合主義と説く。

白石:その心は?

虚野:知ったことかああああああああああああ!!!!!!!!!!! ぜえ、ぜえ……ああもうかったるい、さっさと終わらせない?

白石:まだ何も言ってないのに・・・・・・ええと、じゃあ今回は私主導で。このブログではカードゲーム、映画、アニメ、PCゲーム、小説、その他よもやまな事件などなどの感想をメインに紹介することになります。手広いくせに極めきれない筆者のこと、何かとおかしな発言があるかもしれませんがその咎は筆者にあります。私たちは知りません。

虚野:どうせ筆者のことだから映画といっても単館ものをDVDか動画サイトで見るんだろ?カードゲームといってもDMとかヴァイスとか嫌いみたいだし、アニメに至っては今年はまだ10本も見てないだろ。PCもメジャーなものに限って受け付けないし、手に入れるころにはブーム終わってないか?いちいち行動が謎な人間がまともなことやろうとしたって異常性をさらして終わるのが落ちだと思うよ……。

白石:まったくもって同意見。小説は狂人が出ないと読まない、事件だって反体制主義か殺人でしょ?いちいち人間性がおかしいのよねあの人……。まあいいわ、そんな筆者の文章でも読めるよというつわものはどうか付き合って下さいまし。

虚野:願わくば、だ、この戯言に筆者が幸せな夢を見れるといいのだけど……。

白石:本当に、ね……。

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